ホームchevron_right技術資料一覧chevron_right表面分析chevron_rightESCA (XPS)chevron_right有機膜の化学状態分析(ESCA(XPS)-GCIB)
技術資料
No.T1208 | 2013.10.01

有機膜の化学状態分析(ESCA(XPS)-GCIB)

概要

X線光電子分光分析装置(ESCAまたはXPS)は、表面数nmの元素及び化学状態を分析することが可能な装置です。高分解能スペクトルによる化学状態の分析事例を紹介します。

【図1】 装置外観

分析事例

ナフチルフェニルビフェニルジアミン(NPD、図2)及び、銅フタロシアニン(CuPc、図3)のC1s、N1s高分解能スペクトル結果をそれぞれ示します(図4~7)。

【図2】 NPDの構造式
【図3】 CuPcの構造式


1)ナフチルフェニルビフェニルジアミン(NPD)

C1s高分解能スペクトル(図4)において、結合様式の異なる3種類のピークに分離できました。また、高エネルギー側に芳香族由来の(π-π*)サテライトピークが検出されました。N1s高分解能スペクトル(図5)では、(π-π*)サテライトピークが検出されないことから、共役環内にNが存在しないことが判ります。

 

2)銅フタロシアニン(CuPc)

C1s高分解能スペクトル(図6)において、3つのピークと(π-π*)サテライトピークが検出されました。また、N1s高分解能スペクトル(図7)では、共役環内のN由来の(π-π*)サテライトピークが検出されており、分子構造を反映したスペクトルが得られております。

適用分野
フラットパネルディスプレイ、その他有機製品
キーワード
有機積層膜、有機薄膜、有機物

CONTACTぜひ、お問い合わせください

弊社の分析技術について、納期やコストについてご検討の方は、
お問い合わせフォームより問い合わせください。