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技術資料
No.T1607 | 2017.02.24

-LIBの分析- ESCAによる正極材の組成、状態分析

概要

リチウムイオン電池(LIB)の正極材にはコバルトやニッケル、マンガンなどの金属酸化物が多く用いられ、含有物の種類や量で電池の性能が変わります。このため、正極材の組成と化学状態を評価することは重要です。

X線光電子分光装置(ESCA)はLIBの分析に適しています

・H, Heを除く元素(Li~U)の定性定量が可能
・表面(数nm)の元素組成や化学状態の分析が可能

分析事例

<コバルト酸リチウムのESCA分析>

○ワイドスキャンスペクトル

含有元素を高感度に測定できるワイドスキャン分析より表面組成を評価しました。【図1、表1】

【図1】 コバルト酸リチウムのワイドスキャンスペクトル

コバルト酸リチウム由来の元素(Li, O, Co)が検出されました。ピーク強度より組成分析(半定量)が可能です。また、炭素(C)やフッ素(F)が検出されたことから、PVDFなどのバインダーの存在が考えられます。

○高分解能スペクトル(Co2p)

元素の化学状態を詳細に解析できる高分解能分析を行いました。コバルトを例として図2に示します。ピークトップより、Co主成分の価数(3価と推定)が明らかとなります。

【図2】 コバルト酸リチウムのCo2p3/2高分解能スペクトル
(*:サテライトピーク)

これらの分析は負極材にも有用で、材料のイオンエッチングにより深さ方向の解析も可能となります。
さらに、大気非暴露分析を行うことで、充放電前後の材料を比較できます。

適用分野
電池・半導体材料、フラットパネルディスプレイ、その他無機製品
キーワード
リチウムイオン電池、LIB、正極材、コバルト酸リチウム、ESCA、X線光電子分光装置、XPS

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