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技術資料
No.T1806 | 2018.03.02

-ウレタンの分析- ポリオール(PPG)の構造解析

概要

ポリオールの一種であるPPG(ポリプロピレングリコール)は、主に発泡ウレタンフォームの原料として使用されています。ウレタン原料用PPGは重合開始剤とPO(プロピレンオキシド)及びEO(エチレンオキシド)から合成され、重合開始剤の種類や比率等で様々な特性を持たせることができます。
弊社では様々なウレタンの原料解析を得意としておりますが、本資料ではTOF/MSとGPCによるPPGの構造解析についてご紹介します。

試料

・ウレタン原料用PPG(図1): 重合開始剤が異なるPO重合体、及びPO/EO共重合体の混合物 

【図1】 PPGの合成反応式

分析内容

1)TOF/MSによるPPG構造解析

TOF/MS(直接導入、イオン化条件:ESI)で重合開始剤の種類を同定しました(図2)。低分子量成分にはグリセリンを重合開始剤とするPPG、高分子量成分にはスクロースを重合開始剤とするPPGが観測されています。どちらもPOのみのPPGであり、EOを含まないことも確認できました。

【図2】 TOF-MSスペクトル

2)重合開始剤の混合比率算出

GPC(溶離液:THF)で重合開始剤の比率を求めました(図3)。GPCクロマトグラムの面積比率より、高分子量成分(スクロース開始PPG)と低分子量成分(グリセリン開始PPG)の混合比率を算出できました。

【図3】 GPCクロマトグラム

3)まとめ

TOF/MS及びGPCにより、PPGを構造解析し、PO/EO存在比、重合開始剤、混合比率の情報を取得可能であることを示しました(表1)。

【表1】 PPGの構造と混合比率

成分

PPGの構造

混合比率

(面積%)

PO/EO存在比

重合開始剤

①高分子量成分

POのみ

スクロース

50

②低分子量成分

POのみ

グリセリン

50

 

適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機材料
キーワード
ポリウレタン、ポリエーテル

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