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技術資料
No.T1918 | 2020.03.12

沸点近傍における高分子溶液の粘度測定(EMS粘度計)

 概要

塗料の易塗布性は塗料の粘度と深く関係している。溶液粘度は回転式粘度計等で評価されるが、塗料に用いられる有機溶媒は低沸点のものが多く、測定中に揮発してしまうため粘度の評価が困難である。本技術資料では、密閉可能な試料セル【図1】で粘度測定が行えるEMS粘度計(弊社技術レポート No.A1902)を用いて低沸点な有機溶媒であるアセトン(沸点:56 ℃)とアクリル樹脂からなる高分子溶液の沸点近傍における粘度測定を行った。

【図1】EMS粘度計の試料セルの (a)全体図および(b)拡大図

試料

15wt%アクリル樹脂アセトン溶液

分析手法

EMS粘度計 :EMS-1000(京都電子工業株式会社)
プ ロ ー ブ  :アルミニウム球(φ2 mm)
測 定 温 度  :25、30、35、40、45および50℃

結果

【図2】および【図3】に15%アクリル樹脂アセトン溶液の粘度の温度依存性およびアンドレードプロットを示す。アンドレードプロットの相関係数が0.99以上であったことからEMS粘度計はアセトンの沸点近傍(50℃)における溶液粘度を揮発の影響なく測定できていることが分かる。

【図2】15%アクリル樹脂アセトン溶液の粘度の温度依存性
【図3】アンドレードプロット

まとめ

EMS粘度計を用いることで有機溶媒に溶解させたポリマーの溶液粘度を揮発の影響なく測定することができる。

適用分野
高分子材料、塗料
キーワード
粘度、低沸点溶媒、温度依存性、溶剤系塗料

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