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技術資料
No.T2002 | 2020.04.23

加熱SEMを用いた鉛フリーはんだのAg凝集挙動観察

概要

環境保全の観点から、Pbを含まない「鉛フリーはんだ」が広く利用されている。本技術資料では代表的な鉛フリーはんだであるSn-Ag-Cu系はんだについて、加熱昇温時の金属組織の変化を加熱機能を搭載したSEMにより観察した。

試料

Sn-Ag-Cu系鉛フリーはんだ(Sn96.5Ag3.0Cu0.5)

装置

加熱SEM ; 機種:JSM-7100F (日本電子製)

結果

Sn-Ag-Cu系鉛フリーはんだを室温~230℃まで5℃/minで加熱しながらSEM観察を行った。【図1】に加熱SEM観察結果を示す。暗部がSnリッチ層、明部がAgリッチ層である。観察の結果、融点(約220℃)よりも低い180℃前後でAgリッチ層が凝集する様子が認められた(動画①参照)。このように、加熱SEMは、鉛フリーはんだの金属組織の変化点、いわゆる耐熱温度の評価に非常に有用と考えられる。

【図1】Sn-Ag-Cu系鉛フリーはんだの加熱SEM観察結果 a)室温、b)180℃、c)220℃

Agリッチ層の凝集挙動をより詳細に解析するため高倍率測定を実施した。高倍率測定の結果、Agリッチ層が流動しながら粗大化するような特異な挙動を観察することが出来た。
 ⇒非常に不思議な挙動です。是非、動画②をご覧下さい。

適用分野
金属、セラミックス、その他無機製品
キーワード
加熱SEM、Ag凝集、金属組織、鉛フリーはんだ

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