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技術資料
No.T2014 | 2020.06.17

細胞培養液の精製及びFcR-IIIA-NPRカラムによる抗体の分析

概要

FcRIIIAカラムはN型糖鎖に起因するFc領域の構造変化を認識し、ADCC活性が弱い~強い順に抗体を分離するアフィニティーカラムです。抗体はCHO細胞等の動物細胞で生産され、培養液中から回収されますが、培養液をTSKgel® FcR-IIIA-NPR(東ソー(株)製)で測定することで、細胞培養条件等のスクリーニングが可能です。本技術資料では培養液の事前精製有無によるクロマトグラムの比較を行いました。

【Fig. 1】 培養液の分析イメージ

分析方法

細胞培養後の培養液を遠心分離し、培養細胞を除去しました。遠心上清(精製前試料)をプロテインAゲル(TOYOPEARL® AF-rProteinA HC-650F/東ソー(株)製)で精製し、抗体を得ました(精製後試料)。精製前及び精製後試料をそれぞれFcR-IIIA-NPRで分析し、クロマトグラムを確認しました。
結果をFig. 2に示します。精製前と比較して、精製後では培養液に由来する夾雑物のピークが殆ど除去され、抗体由来のピークを明瞭に検出できました。培養液中の抗体のFcR-IIIA-NPRによる測定では、抗体精製を実施した方が精度の高い分析結果を得られることが分かります。精製前試料(培養液のまま)の分析も可能ですが、弊社で精製からの受託も承ります。     

【Fig. 2】 培養液のアフィニティークロマトグラム

培養液に含まれる抗体のFcR-IIIA-NPRによる分析は、抗体医薬品のロット間差分析や、細胞培養条件(抗体産生条件)のスクリーニング等に有効です。

適用分野
医薬品・化粧品・農薬
キーワード
培養液、培地、抗体医薬品、IgG、糖鎖

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