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技術資料
No.T2028 | 2020.11.26

高磁場NMRを用いた13C-NMR解析による PEEKの分子構造評価

概要

高分子材料の分子構造を解析、評価することは、物性発現要因の解明に役立ちます。核磁気共鳴(NMR)装置では、高分子材料の分子構造を原子レベルで定量的に評価することが可能です。
弊社では独自の前処理(溶解)技術に加え、大口径10mmプローブを装着した700MHz NMRを備えており、高感度な13C NMRスペクトルによる詳細な構造解析が可能です。本技術資料では、高磁場溶液NMRを用いたポリエーテルエーテルケトン(PEEK)の13C-NMR解析をご紹介します。

分析事例

PEEKは優れた耐熱性、耐摩耗性、強靭性、耐薬品性等の物性を有する、熱可塑性芳香族ポリアリールエーテルケトンの1種です。PEEKは概ね鎖状のポリマー(図1)ですが、酸化劣化や熱劣化による、主鎖切断や架橋構造の生成が知られています。
弊社保有の10mmプローブ装着700MHz NMRを用いることで、高感度な13C-NMRスペクトルに基づく分子構造評価が可能となりました。従来の500MHz NMRでは観測されない微少ピークが複数観測され、PEEKの分子構造―材料物性の相関評価への活用が期待されます(図2)。

【図1】PEEKの分子構造(数字はスペクトル中の帰属)

【図2】PEEKの13C-NMRスペクトル
適用分野
高分子材料、PEEK
キーワード
PEEK、700MHz NMR、10mmプローブ、高感度13C-NMR

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