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技術資料
No.T2117 | 2021.09.15

MALDI-TOF/MSによるポリウレタン組成のスクリーニング解析

概要

ポリウレタンは様々な用途に使用される合成樹脂です。ポリウレタンをアルカリ加水分解して得られた加水分解液を直接MALDI-TOF/MS分析することで、ポリウレタンに使用されたポリオールやイソシアネート等をスクリーニング解析することができます。

分析方法

ポリウレタンをアルカリ加水分解後、有機溶媒に置換し、MALDI-TOF/MS分析を行いました。加水分解により、イソシアネートはアミンとなって分解液中に存在します。

【図1】 ポリウレタンのアルカリ加水分解

結果

幅広い質量範囲を分割してMALDI-TOF/MS分析することで、低分子領域からはアミン(イソシアネート)とポリオール、高分子領域からはポリオールが検出されました(図2~図4)。分析に用いた試料は軟質ウレタンフォームであり、分子量数千の軟質用ポリオールが使用されていたことが分かります。
得られた質量から解析しますと、表1の結果が得られました。

【図2】 ポリウレタン分解液のMALDI-TOF/MSスペクトル(全体)
【図3】 ポリウレタン分解液のMALDI-TOF/MSスペクトル(m/z 0~1500)
【図4】 ポリウレタン分解液のMALDI-TOF/MSスペクトル(m/z 4000~11000)


【表1】MALDI-TOF/MS解析結果

まとめ

ポリウレタン分解液の直接MALDI-TOF/MS分析により、ポリウレタンに使用されていたイソシアネート種やポリオール種のスクリーニング解析が可能です。
また、抽出等により成分毎に分離し各種分析を行うことで、各成分の詳細分析も可能です。

適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機材料
キーワード
ポリウレタン、ウレタンフォーム、イソシアネート、ポリオール

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