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技術資料
No.T2407 | 2024.06.17

TEMによるポリマー接着界面の観察

概要

 接着界面の機械的結合(アンカー効果)は接着強度の発現に寄与していると考えられており、接着界面の形態(モルフォロジー)観察は重要です。透過電子顕微鏡(TEM)により、ポリオレフィン系基材(ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP))とポリウレタン(PU)接着剤の界面状態を観察した事例を紹介します。

分析装置・分析方法

装 置

電界放出型透過電子顕微鏡(FE-TEM)

試料作製方法

ミクロトームによる超薄切片作製(クライオ切削)および電子染色*
*重金属を含む染色によって電子密度を高め観察像のコントラストを上げる手法

試料

PE基材/PU接着剤
PP基材/PU接着剤

結果・考察

 観察結果を図1に示します。PU接着剤中にPEまたはPPの針状物(長さ~数百nm程度)が入り込んでいる様子が明らかになりました。熱処理により形成した界面混合相に針状PO結晶が生じ、これにより接着界面が機械的に強固に固定されると白木ら1)は考察しています。このように、TEMは接着界面の形態観察が可能です。

【図1】接着界面のTEM像
左:PE基材/PU接着剤、 右:PP基材/PU接着剤

【図1】接着界面のTEM
左:PE基材/PU接着剤、 右:PP基材/PU接着剤

参考文献

1) Y. Shiraki et al., Macromolecules, 56(2023), 2429-2436

適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機製品
キーワード
ポリマー、接着、界面、PE、PP、PO、PU、ミクロトーム、電子染色、形態、TEM

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