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技術資料
No.T2413 | 2024.07.26

粉末顔料の色調評価(UV-vis拡散反射法)

概要

 UV-visでは、拡散反射法を用いることで粉末、固体試料の色調を定量的に評価することが出来ます。拡散反射法では、試料表面で反射した光を積分球で集光し、検出します【図1】

 本技術資料では、UV-vis拡散反射法により2種類の粉末顔料の色調を評価しました。

分析装置

 紫外可視分光光度計 V-770 (日本分光株式会社)
 積分球ユニット ISN-923

【図1】 拡散反射法の集光方法

【図1】 拡散反射法の集光方法

試料

 粉末顔料2点

【図2】粉末顔料の光学写真

【図2】粉末顔料の光学写真

結果

 【図3】に粉末顔料のUV-vis拡散反射スペクトルを示します。顔料により400600 nm付近に見られるスペクトルの吸収強度に差が生じました。【表1】にUV-vis測定結果をもとに得られたL*a*b*値を示します。L*a*b*値はL*成分が明度、a*は赤色方向の彩度、b*は黄色方向の彩度を表す数値です。顔料①はb*a*より大きいことから黄色、顔料②はa*b*より大きいことから赤色を示していることがわかります。このように、粉末顔料の色の違いを数値として読み取ることが出来ます。

【図3】粉末顔料2点のUV-visスペクトル
※拡散反射スペクトルをKM変換したもの

【図3】粉末顔料2点のUV-visスペクトル
※拡散反射スペクトルをKM変換したもの

【表1】粉末顔料2点のL*a*b*
試料 L* a* b*
顔料① 74.5 9.0 44.7
顔料② 49.0 23.4 12.3

・L*a*b*表色系
 物体の色を色空間で示す表色系の1種

まとめ

 UV-vis拡散反射法では、色の異なる粉末の色調を定量的に評価することが出来ます。

適用分野
セラミックス、ゼオライト、その他無機製品
キーワード
UV-vis、拡散反射、粉末、顔料、スペクトル、L*a*b*値

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