概要
UV-visでは、拡散反射法を用いることで粉末、固体試料の色調を定量的に評価することが出来ます。拡散反射法では、試料表面で反射した光を積分球で集光し、検出します【図1】
本技術資料では、UV-vis拡散反射法により2種類の粉末顔料の色調を評価しました。
分析装置
紫外可視分光光度計 V-770 (日本分光株式会社)
積分球ユニット ISN-923
試料
粉末顔料2点
結果
【図3】に粉末顔料のUV-vis拡散反射スペクトルを示します。顔料により400~600 nm付近に見られるスペクトルの吸収強度に差が生じました。【表1】にUV-vis測定結果をもとに得られたL*a*b*値を示します。L*a*b*値はL*成分が明度、a*は赤色方向の彩度、b*は黄色方向の彩度を表す数値です。顔料①はb*がa*より大きいことから黄色、顔料②はa*がb*より大きいことから赤色を示していることがわかります。このように、粉末顔料の色の違いを数値として読み取ることが出来ます。
試料 | L* | a* | b* |
顔料① | 74.5 | 9.0 | 44.7 |
顔料② | 49.0 | 23.4 | 12.3 |
・L*a*b*表色系
物体の色を色空間で示す表色系の1種
まとめ
UV-vis拡散反射法では、色の異なる粉末の色調を定量的に評価することが出来ます。
適用分野
セラミックス、ゼオライト、その他無機製品
キーワード
UV-vis、拡散反射、粉末、顔料、スペクトル、L*a*b*値