ホームchevron_right技術資料一覧chevron_right表面分析chevron_rightESCA (XPS)chevron_rightGCIB-ESCAによる無機材料表面クリーニング
技術資料
No.T1303 | 2013.10.07

GCIB-ESCAによる無機材料表面クリーニング

概要

ESCA(XPS)に搭載されているイオン銃を利用して無機材料表面の汚染物質クリーニングが可能です。従来のArモノマーイオン銃では、還元されやすい材料(TiO2など)に照射するとTiの化学状態(価数)が変化してしまう問題がありました。Arガスクラスターイオン銃(GCIB)を利用すると材料の化学状態変化を抑制した表面クリーニングが可能です。

分析事例

(1)ArモノマーイオンによるTiO2表面クリーニング

Arイオン照射前後における単結晶TiO2表面のC1s、Ti2pスペクトルを示します(図1)。5min照射後、表面汚染由来のC1sピークの消失を確認できました。ただし、Tiの価数変化が観測されました。Arイオン照射によるTiの還元が起きて、正しい評価が難しいと考えられます。

【図1単結晶TiO2表面Arモノマーイオン照射によるESCAスペクトル変化

(2)GCIBによるTiO2表面クリーニング

GCIBを使用した場合も同様に、5min照射後にC1sピークの消失を確認できました。さらに、照射前後においてTiスペクトルの形状が大きく変化しておらず(図2)、Tiの価数変化を抑制した表面クリーニングが可能です。

【図2】 単結晶TiO2表面のGCIB照射によるESCAスペクトル変化
適用分野
その他無機製品、フラットパネルディスプレイ、電池・半導体材料
キーワード
TiO2、二酸化チタン、チタニア

CONTACTぜひ、お問い合わせください

弊社の分析技術について、納期やコストについてご検討の方は、
お問い合わせフォームより問い合わせください。