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技術資料
No.T1714 | 2017.08.01

角度分解法による深さ方向分析(ESCA、XPS)

概要

セラミックスや電子材料、高分子などの材料特性は、表面(界面)の構造で大きく変わります。このため、材料表面の組成や化学状態を把握することは重要です。
X線光電子分光分析装置(ESCAまたはXPS)は、表面(数nmオーダー)の元素組成や化学状態を解析できます。さらに、検出角度を変えることで非破壊の深さ方向分析が可能です。[角度分解ESCA法]
今回は、角度分解ESCA法による市販アルミ箔の分析事例を紹介します。

分析事例

<角度分解ESCA法によるアルミ箔の分析>

アルミ箔は、表面に形成される酸化被膜が光沢性やガスバリア性などの特性に影響します。
検出角度10~90degで分析を行い、深さ方向のAl状態を解析しました。【図1】

【図1】 アルミ箔のAl2p高分解能スペクトル
(YスケールはAlピークで規格化して表示)

角度分解法は、検出角度が小さいほど表面から浅い構造が反映されます。検出角度が小さいほどAl2O3比率が増加しており、アルミ箔の表面ほど酸化していることが明らかとなりました。試料間の比較解析により、光沢性やガスバリア性に影響するアルミ箔の酸化状態が評価可能です。

適用分野
セラミックス・ゼオライト、電池・半導体材料、その他無機製品、その他有機製品
キーワード
表面分析、角度分解法、X線光電子分光分析装置、ESCA、XPS、ARXPS

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