概要
Thermal Desorption(加熱脱着)は、吸着剤を充填した捕集管に気相中の目的成分を吸着させた後、加熱脱着により成分を濃縮し、GCあるいはGC/MSに導入する方法です。ヘッドスペース法では感度が不足する場合や長時間捕集する必要がある場合に有効な方法です。また、捕集管にサンプルを直接充填して加熱脱着を行う直接加熱脱着法により、樹脂などから発生する揮発成分を高感度で検出することができます。
測定原理
捕集管の加熱脱着成分はそのままGCに導入するとブロードなピークとなるため、一旦コールドトラップで凝縮させ、再加熱することによりシャープなピークでGC/MSへ導入させます。脱着成分はGCで分離、MSでフラグメントイオンを検出することにより物質の定性、定量を行うことができます。
加熱脱着装置の仕様
・ 捕集管(サンプルチューブ) | :1/4 OD × 90mm (48本) |
・ 捕集管加熱温度 | :80 ~ 400℃ (1℃単位) |
・ コールドトラップ | :室温 -50℃ ~ (1℃単位) |
分析事例
主な応用分野
- 部品・材料からの発生ガス分析
- 香気成分の分析
- 室内空気汚染物質の分析
- 車内空気汚染物質の分析
- 有害大気汚染物質の分析
- クリーンルーム汚染物質の分析
適用分野
発生ガス、揮発成分、香気成分、室内空気、車内空気、有害大気、クリーンルーム
キーワード
プラスチック、ゴム、樹脂、高分子