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技術資料
No.T1004 | 2013.10.01

シリカガラスの欠陥構造解析(ESR-電子スピン共鳴)

概要

ESR法とは、電子スピン共鳴(Electron Spin Resonance)分光分析法を指します。ESR法では、非破壊で不対電子の測定を行うことが出来ます。また、試料の形状、固体、液体、気体に関係なく測定でき、ラジカル(不対電子を有する原子または分子)の量、構造、電子状態などに関する情報を得ることが可能です。
ここでは、ESR法を用いたシリカガラス中の欠陥解析例をご紹介します。

分析方法

シリカガラス中のSi原子は、図1(a)のような4面体構造のネットワークを形成しています。ここで、O原子との結合が1つ切れ、Si原子上に1つの不対電子が存在する構造(b)は、E’センターと呼ばれ、ESRで検出可能なSi欠陥構造の1つとして良く知られています。

シリカガラスのESR測定結果を図2に示します。試料①②では、g=2.001付近に、E’センターと推定されるシグナルが検出されました。また、試料③からはシグナルが検出されず、試料によって欠陥量が異なることが判明しました。E’センターを定量した結果を表に示します。

このように、ESR法は、構造欠陥の情報が直接得られる有用な分析手法です。その他、触媒の金属イオンの存在状態や、材料中の微量不純物(遷移金属イオンなど)の解析も行うことが出来ます。

適用分野
セラミックス・ゼオライト、電池・半導体材料
キーワード
シリカガラス、SiO2

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