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技術資料
No.T1706 | 2017.06.01

-LIBの分析- 組成分析、定量分析(ICP)

概要

リチウムイオン電池(LIB)ではリチウムイオンが電池内の正極・電解質・負極の間で移動することにより充電、放電が行われます。
正極材料、負極材料、電解質は様々な有機・無機物で構成されており、電池の充放電機構や劣化原因の解明には、その中のリチウム等の無機元素を測定する事が必要となります。
複合材料である正極・負極・電解液の組成分析を行うためには、それぞれの材料に最適な前処理法を用い、ICP発光分析法により元素の定量を行う事が有用です。

分析内容

1)電解液の分析

電解液を回収し加圧状態で酸抽出した後、ICP発光分析法で定量します。
この方法により少量の電解液でも分析が可能で、組成元素の存在量が10μg程度でも定量が可能です。(表1)

表1 電解液分析 回収率      (%)

Li P
100 103

2)電極材料の分析

必要に応じて集電体(アルミニウム箔、銅箔)から活物質、バインダー、導電助剤を削ぎ取り分析試料とします。

リチウムについては灰化法によりバインダー、導電助剤を燃焼させて除去し、残分を酸溶解してICP発光分析法で定量します。リンについては灰化法では揮発減少してしまうため、加圧酸抽出した後、ICP発光分析法で定量します。(表2)

表2 電極材料分解法での回収率    (%)

分解方法 Li P
加圧酸抽出 106
灰化 101 44

 

分析元素として代表的なリチウムやリンについて、90%以上の回収率が得られています。
以上の様に、それぞれの材料に最適な前処理法を用いる事により、正確な元素の測定を行う事が出来ます。

適用分野
電池材料、組成分析
キーワード
リチウムイオン電池、LIB

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