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技術資料
No.T2109 | 2021.08.11

潤滑膜の分析手法

~潤滑油により形成される膜成分の表面粗さ解析~

概要

モリブデン(Mo)含有潤滑油は自動車エンジンオイルの代表的な摩擦低減剤で、摩擦面に形成される膜成分(潤滑膜)が低摩擦化に寄与します。走査プローブ型顕微鏡(SPMまたはAFM[原子間力顕微鏡])により潤滑膜の表面粗さを解析した事例を紹介します。

試料

以下の通り調製した潤滑膜の分析を実施しました。
Mo系摩擦低減剤を含む市販エンジンオイルを金属基板上に塗布
 →摩擦試験(表面温度50℃,試験時間5~180min)【図1】

事例紹介

摩擦試験時間が異なる試料のSPM像を図2, 3、表面粗さ解析結果を表1に示します。SPMはnmオーダーの表面粗さを解析でき、摩擦試験時間が長いほど潤滑膜の表面が粗い(表面凸凹が大きい)ことが明らかとなりました。

【図2】 摩擦試験時間が異なる潤滑膜のSPM像
【図3】 摩擦試験時間が異なる潤滑膜のSPM像(断面プロファイル)
【表1】表面粗さ解析結果

潤滑膜

表面粗さ※

摩擦試験5min

14nm

摩擦試験180min

37nm

※算術平均粗さ(Ra)

適用分野
その他無機製品
キーワード
潤滑油、潤滑膜、モリブデン、Mo、MoS2、摩擦低減剤、低摩擦化、SPM、AFM、表面粗さ、表面凸凹

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