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技術資料
No.T2318 | 2023.12.19

GPC-熱分解-GC/MSによる共重合組成の分子量依存性解析

① スチレン-メタクリル酸メチル共重合体

概要

 GPC(もしくはSEC;サイズ排除クロマトグラフィー)と熱分解(Py)-GC/MSを組み合わせることで、共重合組成の分子量依存性が評価可能です。ここでは、スチレン(St)-メタクリル酸メチル(MMA)共重合体に適用した例を紹介します。

試料

 St-MMAランダム共重合体(St mol% = 41) Mw = 1.3×105

分析方法

 GPC-Py-GC/MSを用いた解析フローを【図1】に示します。GPCカラムによって分子量毎に分画した成分を、RI検出器(濃度検出器)とPy-GC/MS測定用アタッチメントへ分岐させます。
 RI検出器を元に算出した分子量分布と、Py-GC/MSから解析した組成比を組み合わせることで、分子量毎の共重合組成が評価できます。

【図1】GPC-Py-GC/MSを用いた解析フロー
【図1】GPC-Py-GC/MSを用いた解析フロー

組成解析用検量線の作成

 分子量分画した共重合体のモノマー組成を見積もるため、PStPMMAホモポリマーを任意の割合で混合したPSt/PMMAブレンド試料を用いて検量線を作成しました。
 PSt/PMMA = 50/50 (wt.%)のパイログラムを【図2】に示します。PSt/PMMA由来ピークのうち、St由来ピークの面積割合(Area St/Area St+MMA)を以下の式に従って算出しました。Area St/Area St+MMAを横軸に、混合比を元に算出したPSt/PMMASt含量を縦軸にとることで検量線を作成しました【図3】。

 検量線は良好な直線性を示し、St含量の定量に有用であることが確認されました。

【図2】PSt/PMMA = 50/50 (wt.%)のパイログラム
【図2】PSt/PMMA = 50/50 (wt.%)のパイログラム
【図3】PSt/PMMA組成の検量線
【図3】PSt/PMMA組成の検量線

分子量分画物の組成解析

 GPCクロマトグラム、及び分子量分画成分のSt含量を【図4】に示します。【図5】に、溶出体積約19 mLの分画成分のパイログラムを示します。GPCクロマトグラムから見積もった約19 mLの濃度は、約0.3 mg/mL (約0.3 ppm)と非常に低いものの、Py-GC/MSでは十分な強度のモノマーピークが検出されました。従って、Py-GC/MSではGPCピークの裾野に当たる低濃度領域においても、精度よく共重合組成が評価可能と考えられます。

【図4】GPC-Py-GC/MS から得たGPCクロマトグラム、及び分子量分画成分のSt含量(試料:St-MMAランダム共重合体)
【図4】GPC-Py-GC/MS から得たGPCクロマトグラム、及び分子量分画成分のSt含量
(試料:St-MMAランダム共重合体)
【図5】溶出体積約19 mLの分画成分のパイログラム
【図5】溶出体積約19 mLの分画成分のパイログラム

 【図6】に、微分分子量分布曲線と共重合組成の重ね書きを示しました。これより、共重合組成の分子量依存性を視覚的に把握することができます。本試料は分子量によらず一定の組成であることが示されました。

【図6】共重合組成の分子量依存性(試料:St-MMAランダム共重合体)
【図6】共重合組成の分子量依存性(試料:St-MMAランダム共重合体)

まとめ

 GPCとPy-GC/MSを組み合わせることで、共重合組成の分子量依存性を把握することができました。本手法では、濃度の低いGPCピークの裾部分においても精度良いデータが取得可能です。

 

参考文献
1) Py-GC/MS測定用アタッチメント(株式会社エス・ティ・ジャパン)
 https://www.stjapan.co.jp/web_news/201803/PGC-MS_application_note.pdf

適用分野
プラスチック・ゴム
キーワード
スチレン-メタクリル酸メチル共重合体

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