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技術資料
No.T1017 | 2013.10.01

表面官能基の識別 修飾カンチレバー法

概要

SPM(走査型プローブ顕微鏡)のタッピングモード(DFM)を使うと、材料表面の硬さの違いを画像化できます。このモードは、ブレンド材料の分散状態評価などに用いられますが、ブレンド成分同士の硬さが近いと(弾性率で1桁以内)、評価が困難になります。このような場合でも、特殊な修飾を施したカンチレバー(修飾カンチレバー)を用いることで、分散状態を評価できる場合があります。
本技術資料では、硬さの近いケン化EVAを例に、分散状態を評価した事例をご紹介します。

分析事例の紹介

市販品のカンチレバーを弊社で処理して修飾カンチレバーを作成し、測定に用いました。試料にはケン化度70%と100%のケン化EVAを溶融ブレンドしたものを用いました。
両成分の弾性率の差は2倍程度で、通常の未修飾カンチレバーによる観察では分散構造を評価できません(図1)。一方、修飾カンチレバーを用いると、分散構造を明瞭に画像化することができます(図2)。
この図において、暗い領域はケン化度70%の成分に、明るい領域はケン化度100%の成分に相当します。このように明瞭に画像化できたのは、修飾カンチレバーが、ケン化度100%の成分と強く相互作用したためです。
SPMは分散構造を簡便に評価できる手法ですが、通常法では硬さの近い成分同士の構造評価は困難です。しかし、特殊なカンチレバーを用いることで、評価が可能となる場合があります。詳細はご相談下さい。

適用分野
プラスチックス・ゴム、フラットパネルディスプレイ、電池・半導体材料、食品包装材
キーワード
ポリエステル、フィルム、光学フィルム、シュリンクフィルム

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