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技術資料
No.T1302 | 2013.05.10

プラスチック材料の熱拡散率

概要

材料の熱の伝わり易さは熱伝導率や熱拡散率という値で表されます。これらは温度によって変化します。一般的に、低温ほど熱は伝わり易く、温度が高くなると伝わりにくくなります。
プラスチック材料の場合、ガラス転移温度(Tg)や結晶融解温度(Tm)など、状態が変化する転移温度が複数あるため、どの温度領域で熱拡散率を評価するのか、留意する必要があります。
弊社が導入した熱拡散率測定装置LFA457(NETZSCH製)は、室温~1100℃の範囲で測定でき、真空や窒素ガス、大気中などの雰囲気で評価することが可能です。
本技術資料では、2種類の市販プラスチックフィルムについて熱拡散率の温度依存性を評価した事例を紹介します。

分析事例の紹介

評価結果を図1に示します。
熱拡散率αは、温度が上昇すると低下し、その傾向は、Tgで変化しています。
Tgでのαの変化の仕方は、サンプルによって異なり、これは材料の非晶性/結晶性の違いを反映しています。

  •  フィルムA 非晶性プラスチック Tg:約 80℃
  •  フィルムB 結晶性プラスチック Tg:約100℃


熱の伝わり易さは温度で変化します。適切な評価をするためには、材料が使用される環境に即した温度で評価することが望ましいといえます。

【図1】 熱拡散率の温度依存性
適用分野
プラスチック・ゴム、フラットパネルディスプレイ、電池・半導体材料

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