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技術資料
No.T1501 | 2015.04.06

ゼオライトの加熱脱水解析

概要

ゼオライトはTO4四面体構造(T:Si、Al)を持つアルミノケイ酸塩で、結晶中に空隙(細孔)を持つ物質として知られています。室温ではこの空隙に多量の水分を吸収していますが、加熱により脱水します。この加熱脱水に伴う構造変化は、熱重量示差熱分析(TG-DTA)と高温X線回折を組み合わせることで詳細に調べることができます。

分析事例の紹介

Na-A型ゼオライトを例として脱水挙動を解析した結果を紹介します。

①TG-DTA

脱水挙動を調べるため、TG-DTAで500℃まで測定を行いました。図1に示すように吸熱ピーク(DTA)を伴う脱水による2段の減量が確認されました。室温~250℃の18wt%減量は、細孔内に取り込まれた吸着水、250℃~500℃の3wt%減量は、Naイオンやゼオライト骨格に強く結合した水(結晶水)と考えられます。

②高温X線回折

加熱に伴う結晶構造の変化を調べるため、室温(25℃)、100℃、250℃、500℃に加熱した状態でX線回折を測定しました。図2に示すように250℃までの吸着水の脱水に伴って、低角度の回折線強度が強くなる現象が確認されました。これは細孔内の水分子が無くなったことにより、ゼオライト骨格の周期が強調された結果と考えられます。更に500℃まで加熱して結晶水が失われてもゼオライトの結晶構造は保たれていることが確認できました。

このようにTG-DTAで脱水挙動を把握してから、高温X線回折を測定することにより、ゼオライトの加熱に伴う脱水とそれに伴う結晶構造変化を詳細に解析することができます。この分析方法は加熱に伴って変化が起きる他の無機物質にも応用が可能です。

適用分野
ゼオライト、無機材料
キーワード
ゼオライト、アルミノケイ酸塩

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