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技術資料
No.T2515 | 2025.12.05

排水中VOCの定量分析

概要

 揮発性有機化合物(VOCVolatile Organic Compounds)とは、常温で容易に気化する有機化合物の総称で、人体や環境に影響を与えることから大気汚染防止法で排出が規制されています。本技術資料ではヘッドスペースガスクロマトグラフィー(HS-GC)で排水を測定し、PRTR対象物質のスチレンを定量した事例を紹介します。HS-GC法は試料主成分によるカラムや検出器への負荷を軽減でき、再現性の高い分析が可能です。

分析方法・分析装置

 排水及び排水にスチレンを段階的に添加した標準添加試料をHS-GC法で測定しました。

装置

Agilent 8890+7697A

検出器

水素炎イオン化検出器(FID)

定量条件

標準添加法

【図1】HS-GC法の原理の説明

【図1HS-GC法の原理の説明

結果

 スチレン検出範囲のガスクロマトグラムを【図2】に示します。添加濃度に対応したスチレン信号強度が得られ、直線性の良好な検量線が得られました【図3】。標準添加法を用いて排水中のスチレンを定量した結果、1.4mg/Lでした。

【図2】ガスクロマトグラム

【図2】ガスクロマトグラム

【図3】検量線(標準添加法)

【図3】検量線(標準添加法)

まとめ

 HS-GC法は水溶液のVOCを再現性良く分析でき、樹脂などの固体試料にも適用できます。また、試料の性質や目的によって適切なHS条件を選択することで、微量分析が可能です。

適用分野
排水、樹脂、建材
キーワード
揮発性有機化合物、VOC、定量分析、大気汚染防止法、PRTR

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