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技術資料
No.T2523 | 2026.02.05

固体NMRによるセメントの構造解析

概要

 セメントは、エーライト(C3S)、ビーライト(C2S)、アルミネート(C3A)、フェライト(C4AF)等からなるクリンカー鉱物に石膏を加えて製造されます1)。セメントの強度や水和速度等の機能を制御するには、各成分の構造を詳細に把握することが重要です。
 固体核磁気共鳴法(固体NMR)は、測定元素の局所構造を反映したスペクトルが得られるため、セメントのように非晶質を含む材料の解析に有用です。本技術資料では、ポルトランドセメントを対象とした固体29Si27Al NMR測定事例を紹介します。

分析方法・分析装置

  • 分析方法 : 29Si DDMAS NMR27Al MAS NMR
  • 分析装置 : 400MHz NMR(29Si)700MHz NMR(27Al、高磁場NMRにより高分解能化)

結果

 試料の29Si DDMAS NMRスペクトルを【図1】に、27Al MAS NMRスペクトルを【図2】に示します。29Si DDMAS NMRでは、クリンカー鉱物であるC3S(エーライト)及びC2S(ビーライト)由来のピークが観測されました。一方、27Al MAS NMRではクリンカー由来のC3A(アルミネート)C4AF(フェライト)だけでなく、水和反応により生じたモノサルフェートやエトリンガイトが検出されました2)

【図1】セメントの29Si DDMAS NMRスペクトル

【図1】セメントの29Si DDMAS NMRスペクトル

【図2】セメントの27Al MAS NMRスペクトル

【図2】セメントの27Al MAS NMRスペクトル

まとめ

 固体NMRによるセメント中のSiAl成分の構造解析により、水和や炭酸化等に伴う化学構造変化の追跡が可能です。弊社では、高磁場NMRによる高感度・高分解能な27Alスペクトルが取得でき、微量成分の観測や、重複ピークの分離度向上が期待されます。

参考文献

  • 1) 後英太郎:“新しいセメントとセメント技術”, p. 6 (1971), (成文堂新光社).
  • 2) 髙橋貴文, 大窪貴洋, 金橋康二:コンクリート工学, 56, p. 454(2018).
適用分野
無機材料、ガラス、その他無機製品
キーワード
セメント、固体NMR、構造解析

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