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技術資料
No.T1401 | 2014.07.10

透過型電子顕微鏡(TEM)によるポリエチレンの結晶ラメラ観察

概要

ポリエチレン等の結晶性ポリマーは、分子鎖が折畳まれてなる結晶ラメラ相と、ランダムコイルからなる非晶相が混在するセミクリスタリン構造を取ることが知られています。
RuO染色剤を用いたTEM観察では、ポリエチレンの非晶相を選択染色することにより、結晶ラメラ観察が可能です。

分析内容

RuO4染色を施した超薄切片(厚み100nm)を用いてポリエチレンの結晶ラメラ構造を撮影した例を紹介  します。直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)と高密度ポリエチレン(HDPE)のブレンド品と、高密度ポリエチレン単品の結晶ラメラ構造を比較しました。

白い繊維状の構造が結晶ラメラに相当します。
HDPE単品では、主に厚みの揃ったラメラが観察されましたが(図1参照)、LLDPE+HDPEブレンド品では、厚みの異なる2種類のラメラが観察されました。(図2参照)
結晶ラメラの厚みは、結晶の融点に比例することが知られており、図2の厚いラメラはHDPE(融点130℃)、薄いラメラはLLDPE(融点110℃)に対応します。

適用分野
形態観察・測定、結晶構造
キーワード
ポリエチレン、HDPE、LLDPE

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