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技術資料
No.T2314 | 2023.10.30

LC-MSによるN型糖鎖構造解析(RapiFluor-MS)

概要

 抗体医薬品等に含まれるN型糖鎖を切り出し、誘導体化することで、LC-MSによる糖鎖構造解析を行います(図1)。特に抗体医薬品では、翻訳後修飾によるN型糖鎖の違いにより薬効に差が生じることがあるため、糖鎖構造解析結果を品質管理や製品開発のためのデータとして用いることができます。
 これまで誘導体化にはピリジルアミノ(PA)を使用していましたが、迅速な測定と多数の糖鎖同定が可能なRapiFluor-MSTMとUNIFI RFMS Glycan GU Library(Waters)を導入しました。

N型糖鎖構造の一例<br>RapiFluor-MS化<br>(迅速な標識化、蛍光感度・イオン化効率の向上)
【図1】N型糖鎖の解析イメージ

試料

 市販の抗体医薬品A

分析方法

 抗体医薬品ARapiFluor-MSプロトコル(Waters)により糖鎖切り出しと誘導体化を行った後、LC-MS測定を行いました。解析にはUNIFI RFMS Glycan GU Libraryを使用しました (2)

誘導体化糖鎖のLCクロマトグラム→[ライブラリより同定]→角ピークに糖鎖構造を付与
【図2】MSスペクトルより糖鎖構造を同定

 

【表1】糖鎖の定量例(一部の糖鎖)
糖鎖 G0F G1Fa G1Fb other
存在比(%) 59.7 6.8 13.8 19.7

まとめ

 抗体から糖鎖を切り出してRapiFluor-MS化し、LC-MSにより迅速に糖鎖構造の詳細解析が可能です。糖鎖構造の不均一性が問題となる抗体医薬品や、エンジニアリングした糖鎖改変抗体などの解析に有用です。

キーワード
糖タンパク質、抗体、IgG、糖鎖

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