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技術資料
No.T2516 | 2025.12.10

気密試料ホルダーを使用した大気非暴露XRD測定

概要

 X線回折法(XRD)は、試料の結晶状態を調べるための手法です。通常は大気下で測定を行いますが、水分や酸素等の影響を受け易い試料については、気密試料ホルダーを使用して大気非暴露下の測定が必要です。
 本技術資料では、高い吸湿性で知られるZrCl4を例に、大気非暴露下と暴露後でXRD測定した事例を紹介します。

分析方法・分析装置

 露点管理されたアルゴン(Ar)グローブボックス内で、ZrCl4試薬を開封し、気密試料ホルダー【図1】に充填しました。その後、気密状態を保ったまま、Arグローブボックスから取り出し、XRD測定を行いました【図2】。
 次に、測定後の試料を大気に暴露させた後、XRD測定を実施しました。

【図1】気密試料ホルダー

【図1】気密試料ホルダー

【図2】測定時の様子

【図2】測定時の様子

結果

 大気非暴露下及び暴露後におけるXRD回折パターンを【図3】に示します。大気非暴露下の回折パターンからは単斜晶と直方晶のZrCl4が同定されました【図4】。一方、大気暴露後は大気中の水分により試料が変質し、ZrCl4とは異なる成分が同定されました【図5】。
 このように気密試料ホルダーを使用することで、大気下で不安定な試料の測定が可能です。

【図3】XRD回折パターン

【図3XRD回折パターン

【図4】同定結果(大気非暴露下)

【図4】同定結果(大気非暴露下)

【図5】同定結果(大気暴露後)

【図5】同定結果(大気暴露後)

適用分野
セラミックス、ゼオライト、電池・半導体材料、その他製品等
キーワード
大気非暴露XRD、気密セル

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