概要
ラマン分光法は、試料に単波長のレーザー光を照射し、散乱光を分光することで赤外分光法と同様の分子振動スペクトルが得られます。
赤外分光法による異物分析では異物を摘出するなど試料の前処理が必要であるのに対し、ラマン分光法は特別な前処理を必要としないため、表面や内部の構造を非破壊で測定することができます。ポリマー、有機物及び無機物測定への幅広い適用が可能です。
顕微測定ではレーザー焦点を絞ることにより赤外分光法で困難な最小1μmの微小部分析が可能です。
分析方法
試料中の異物を顕微ラマン分光法で測定しました。
異物1 光学写真
![](https://www.tosoh-arc.co.jp/wp-content/uploads/2013/10/Pasted-21.png)
異物1 顕微ラマンスペクトル
![](https://www.tosoh-arc.co.jp/wp-content/uploads/2023/05/d4ab1df67eb6917ef2a64f9d820f1cb3-1.png)
異物2 光学写真
異物 2 顕微 ラマンスペクトル
![](https://www.tosoh-arc.co.jp/wp-content/uploads/2023/05/761e316b93854c9788abdf8addbcbe59.png)
異物のラマンスペクトルをデータベース検索した結果、異物1はポリエチレンテレフタレート(PET)、異物2はカーボンブラックであることが判明しました。本分析事例のようにμmオーダーの微小異物を非破壊で分析することが可能です。
適用分野
プラスチック・ゴム、食品包装材・食料品・飲料・飼料
キーワード
PET、ポリエチレンテレフタラート、カーボンブラック、グラファイト