概要
プラスチックレンズ表面には、光反射を抑え透過率を高めるため金属酸化物などを使用した反射防止膜が形成されており、組成、膜厚により対応する波長や反射率などの性能が変わります。
今回、非常に薄い膜が使用されているメガネ用のプラスチックレンズ表面の反射防止膜について、ナノメートルオーダーでの観察と元素分析が可能なTEM(透過電子顕微鏡)を用いた解析を行い、組成と膜厚を明らかにしました。
分析装置・分析方法
| 装置 | 電界放出型透過電子顕微鏡–エネルギー分散型X線分析器(FE-TEM/EDS) |
| 観察法 | 走査透過電子顕微鏡(STEM)法 |
| 試料作製方法 | ミクロトームによる超薄切片作製 |
試料
メガネ用プラスチックレンズ(市販品)
結果
ハードコート層表面の反射防止膜を含むように断面観察試料を作製しました【図1の黄色枠部分】。この試料をSTEM/EDSにより元素マッピングしたところ、図2のように複数層からなる反射防止膜が観察され、それぞれの組成と膜厚を求めることができました。このように、数十nmの薄膜でも、膜の存在および組成と膜厚を確認できます。
【図1】プラスチックレンズ断面のデジタルマイクロスコープ観察結果
【図2】反射防止膜の暗視野STEM像とEDS元素マッピング結果
適用分野
プラスチック・ゴム、その他有機製品
キーワード
STEM、TEM、EDS、ミクロトーム、反射防止膜、AR、ポリマー、プラスチックレンズ、多層、薄膜、ハードコート層