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技術資料
No.T1834 | 2018.12.05

はんだ(共晶組織)のin-situ加熱SEM観察

概要

 複数の金属を混ぜ合わせた合金では、二種類以上の結晶相に相分離した共晶組織を形成する。共晶構造を持つ合金は、低融点かつ流動性に優れることが知られており、鋳物、溶接、ロウ付けなどの分野で重宝されている。
 本技術資料では、代表的な共晶合金であるはんだの共晶組織を、in-situ加熱SEMで観察した。

分析事例の紹介

試料 : はんだ

 はんだはPbとSnの合金であり、Pbリッチなα相とSnリッチなβ相から成る共晶組織を有している。
実際に反射電子検出器(重元素ほど明るく観察される検出器)を用いてはんだを観察すると、α相(明部)とβ相(暗部)から成る共晶組織が認められた【図1】。

a)昇温過程

 25℃から300℃まで10℃/minで昇温しながらSEM観察を行った。230℃付近で各相が溶融し、均一相を形成した【図1】。

【図1】SEM観察結果(反射電子像)_はんだの共晶組織の溶融過程
【図2】SEM観察結果(反射電子像)_はんだの共晶組織の溶融過程(動画)

b)降温過程

 300℃から150℃まで10℃/minで降温しながらSEM観察を行った。186℃で急激に相分離し、共晶組織を形成した。
 その後、降温に伴い、共晶組織が粗大化した【図3】。

【図3】SEM観察結果(反射電子像)_はんだの共晶組織の形成過程
【図4】SEM観察結果(反射電子像)_はんだの共晶組織の形成過程(動画)
適用分野
金属、セラミックス、その他無機製品
キーワード
in-situ、SEM、共晶、金属、はんだ

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