概要
ポリアミド(PA)は主鎖がアミド結合の繰り返しにより構成されるポリマーの総称で、脂肪族骨格を含むものは一般に「ナイロン」の名称で知られます。ポリアミドは五大汎用エンジニアリングプラスチックの一角として、PA6とPA66を代表に種々の単独重合体/共重合体/混合物等が工業製品に広く使用されています。
本資料ではポリアミド混合物を分析対象として、高感度NMR装置(700MHz, 5mm Cryoプローブ)を用いた溶液13C NMR定量測定による組成解析事例を紹介します。
分析方法・分析装置
| 分析方法 | 一次元13C NMR |
| 分析装置 | 700MHz NMR, 5mm Cryoプローブ |
試料
PA6-PA66-PA610混合物(図1)
【図1】各ポリアミド(PA6、PA66、PA610)の構造式
結果
弊社のポリマー溶解技術を用いて試料の10%(w/v)溶液を調製し、溶液13C NMR測定を実施しました(図2)。1H NMRよりも高分解能な13C NMRでは化学構造の差異が鋭敏に反映され、各ポリアミド中のカルボニル基周辺炭素(C=Oとその隣接メチレン)が単独ピークとして分離・検出されました。
【図2】ポリアミド混合物の13C NMRスペクトル(70℃、逆ゲーテッドデカップリング、積算512回)
図2のカルボニル基周辺炭素の平均積分値より算出したポリマー組成を表1に示します。13C NMR定量測定により構造が類似しているポリアミド混合物の組成解析が可能で、得られた組成の実測値は理論値(仕込み量)とよく一致しました。
| PA6 | PA66 | PA610 | |
|---|---|---|---|
| 実測値 | 36.3 | 45.0 | 18.7 |
| 理論値 | 36.9 | 44.8 | 18.3 |
まとめ
弊社保有のポリマー溶解技術と高感度NMR装置(700MHz, 5mm Cryoプローブ)により、ポリアミド混合物の組成解析が可能です。高分解能な13C NMRスペクトルを定量的に取得することで、構造が類似しているポリマーの混合物や共重合体の組成解析が可能です。